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黒船屋の日記のような掃き溜めのような。
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もしも中原中也が 巴里に赴き ジャン・ジュネに公衆便所で犯されていたなら、
もしくは稲垣足穂が 機会と少年ではなく 叙情と少女を愛したならば
時空を越え 彼らはこの詩集を はにかみつつも 自分の書棚の奥に そっとしまい込んだことでしょう


甘美な悪夢に惑うような 麗しき少女人形の装丁とともに、嶽本野ばらのこんな言葉が寄せられてると云うだけで、買う価値があると思います『少女遊戯』。わたしが買ったのは、『血と蜜』だけど(笑)

演習のレポートがあるにもかかわらず、小谷真理氏と宝野アリカ嬢のトークライヴに行って参りました。
夜想の発行元が企画したトークショウで、尚且つパラボリカビス(アングラ雑誌夜想に関連したカフェ……らしいです) での開催とあっては行かないわけにはいきませぬ。……それから、小谷氏が今取ってる講義の先生なので、興味が湧きまして。
開催地が都心から離れた場所にある所為か、はたまた企画元のマイナーさも相俟ってか、お客様は思っていたよりも少なかったです。
同行した友人曰く『穴倉のような』Galleria Yaso nachtの内部は殺風景でありながら、どこか云い知れぬエネルギーを秘めていて。一言で申しますと、何か新しいもの、わたしを惹きつけて止まないものが生まれる場処。そんな雰囲気を孕んでおりました。
アリカ嬢のポエムリーディング、面白く聞かせてもらいました。耳に心地よく響く、甘く馨しい声。美しくもあどけなく綴られた言葉たち。期待を裏切る結末。あの物語がアリカ嬢の作であることに吃驚しつつ、何だか納得がいく作品でした。絵本にして、降誕祭のプレゼントにしたい。真紅と深い緑のリボンで飾って。


うっかりアリカ嬢の楽屋裏の風景を覗き見してしまったのですが、恐れ多くて直視できませんでした。一度廊下ですれ違った時も、挙動不審になるばかりで。あらためて自分の不甲斐なさや意気地のなさを思い知った次第に御座います。
小谷先生は、モダン且つ華美でハイカラなアンティーク(だと思う)の着物を纏って登場。・・・…ごめんなさい、先生。いつもとあまりに違う格好の所為で、すぐには誰だかわかんなかった。そして改めて先生の博学さと顔の広さを思い知りました。

一日経った今でも、興奮が冷めません。ともすればあの会場に居た時に感じたときめきや、わたしのなかで稀に芽生える知的好奇心が膨れ上がって、居ても立っても居られなくなりそうなほどに。……あと、阿呆な質問をしてしまった嫌悪感も。もっとマシなことを聞けばよかった・・・…。
今宵、あの場処に居合わせることが出来たことを嬉しく思います。アリカ嬢には、もっとああ云うアングラな感じのトークショウに参加していただきたいと思う。アニメ関連や、CDとかのライヴではなく。て云うか、わたし自身もっとサブカルなイベントに参加したい・・・…それがアリプロ関連であるなら、尚のこと。

併設していた宮下マキ氏の写真展は、カフェに展示してあったものの方が善かったと思います。作家の嶽本野ばら氏をモデルにしたギャラリーなのですが。
野ばらちゃん、細っ!!何処か傷ついたような顔で俯く白黒写真や、十字架の墓の前で頬杖をつく野ばらちゃんが印象的でした。彼は、あれですね。三島由紀夫みたいだ。
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