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黒船屋の日記のような掃き溜めのような。
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本屋行ったら丸尾末広氏の新作『パノラマ島奇譚』が平積みしてあった……。
すげぇ、読みてぇ!!わたしが取ってる講義の某講師のお墨付きだもんなぁ。来年の授業で紹介するって云っちゃったくらいだもんなぁ。これを買わずにいられようか!!

最近ぜぇんぜんネットに繋がない環境にいたので、軽くウラシマ気分です。なんか見覚えのない情報が掲載されてる……。
ネット繋がないで何してたのかってゆーと、ひたすら本読み耽っていました。でも遅読だから、大した量はこなせない。
3月の読み本は尾崎翠に始まり、久世光彦の『黄昏かげろう座』、飛浩隆の『グランヴァカンス』。
尾崎翠は学校で借りてきた短編集を拾い読みしています。氏の代表作である『第七官界彷徨』をはじめ、『アップルパイの午後』や『こおろぎ嬢』などの諸短編をかいつまむように読んでました。
『アップルパイの午後』は戯曲なんですけど、落ちがちゃんとしてるから読みやすかったです。『第七官界彷徨』は、女の人が描く新感覚派の世界、もっと云ってしまえば初期の川端康成とかを少女の感性で描いたような印象を受けました。
そんなんだから、ストーリィよりも文章から滲み出す世界を楽しむ感じ。『蘚の恋愛』を始めとする独特の世界は、何故か不思議な優しさに満ちていて、今で云う和み系・癒し系みたいな雰囲気でありました。あと登場人物の恋が一方通行なのが、ちょっとはちくろっぽい。
『黄昏かげろう座』は、云わばブックレヴューのようなもの。久世作品は読んだことないのですが、文章の端々から滲み出る妖しげで耽美な雰囲気にしっかり酔わせていただきました。次読むものの指針になった。
『グランヴァカンス』は再読。続編の『ラギットガール』を読む前に、どんな話だったかを思い出すために読み返しているんですが、いやはや。すごい筆力だ。わたしはSF初心者で、SFのいろはなんてまったくもって知らないのですが、これは屹度傑作って云われてもおかしくないんだろうな、って思います。
物語に使われているコードはSF要素満載なのに、キャラクターが、文体から紡ぎだされる世界が、本作をSFというカテゴリから突き放している。むろん、いい意味で。
AIと『蜘蛛』とのバトルは壮絶で、残虐ですらあるのに、その残虐さを清冽な哀しみが覆い隠している。だから読んでいる方は不快にならないあたりが、すげぇなと。痛そうでグロテスクなシーンなのに、夏の終わりに吹く潮風のような哀しみが胸に迫る。そんな感じ。
嗚呼、でも高一で初めて読んだ時、章を追うごとに一人ずつ登場人物が消えてって、最後に皆殺し状態で次巻へ続くってなったときにかなり凹んだんだよな。登場人物皆殺し。どこぞのバトロワですか?!

なんかあまり参考にならない感想を残して、今日は落ちます。さよいなら。

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