忍者ブログ
黒船屋の日記のような掃き溜めのような。
| Admin |
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



もう一週間も前の話ですが、横浜の近代文学館で開催している『澁澤龍彦回顧展』に行ってまいりました。
澁澤さんは正直あまり詳しくないのですが、学校で半券貰ったので。サブカル仲間の友人とともに横浜までいそいそと。

展示品は筆耕が多くて、前日パソコンのやりすぎで眼が痛かったわたしには正直見るのがしんどかったです。
昔なんかのムックで「澁澤龍彦」を読んだときは、化石とか鉱石とかが彼の屋敷にいっぱいあって(初期長野まゆみみたいなお屋敷でした)そう云うのが多いのかなー、とか思ってたので拍子抜け。
でもそう云う物体の?展示品もありましたよ。一番素敵だったのは水が流れる鉱石。しかし澁澤氏の死後、石の水は枯れ果てたとか?なんともロマンティックな逸話です。
それからどんぐりだの松ぼっくりだのも飾ってあって。石とか木の実とか、そう云うものを蒐集するのが好きだったようです。なんか少年のような人。
こう書くと何職業にしてる人か微妙な感じですが、初期澁澤著作品のご本とかもででんと展示してあったり、アングラ演劇のポスターが貼ってあったり、四谷シモンの人形や、金子國義の絵画や、土方巽の写真なんかも展示してあったりして……やっぱ文筆家とは思えぬ展示会だな。カオス過ぎる。
とにかく多岐に渡る芸術活動に関わっていた人であり、各々への造詣が深い方だったんだなということが窺えました。


でも何が一番面白かったって、最後に展示してあった王朝小説の構想ノート。
ガンを患い、死の間際の病床の中で書きとめたために作品そのものが日の目を見ることはなかったものです。で、その構想ノートなんですが……ぶっちゃけ中学生が授業中書いた妄想の落書きみたいでした。
(うろ覚えなんですが)主人公がドッペルゲンガーに遭遇したり、なんか羽根の生えた人間の落書きが殴り書きされていたり、魔界の怪物たちがうじゃうじゃ出てきたり、電波な言葉が乱舞していたりする話だそうで……なんだかちょっと、痛々しい感じ。友人曰く『中二病だ!!』だそうで。
うぅん……あんなにまとまりないメモで、よくちゃんとした小説書けるよなぁと半ば感心しました。まぁ、澁澤さんは基本的に翻訳家・評論家だったので、小説の構想が拙くても問題ないのかもしれませぬが。でも死後にあれを公表されるのは、羞恥プレイ以外の何者でもないような。


横浜の近代文学館は港の見える丘公園にあって、天気のいい日だったのですごく気持ちよかったです。洋風庭園には、薔薇が咲き乱れておりました。
記念に一枚。『フクヤマ』と云う薔薇だそうで……あれ、潤潤?ルル??





そのあと中華街に行ったりしました。某チャイナドレスショップで遭遇した和柄の黒いチャイナ服に心ときめかされた、なんてのはここだけの話。
やっぱ中華街はいいです。あのエセ感がいい。本物っぽくないものがいい。やっぱり「らしさ」を装ったものほど、その対象の特徴が発揮されるものなのでしょうか。横浜中華街の、『イメージ』によって創られた『中華』は、肩肘張らずに雰囲気を楽しめる感じが素敵です。

PR

生きております、かろうじて。一週間近く放置かまして済みませんでした。残念ながら、まだくたばってはおりませぬ。

別に眼が回るほど忙しかったわけではないのですが、精神的にあまり余裕のない一週間でありました。悪いことなんて何もしていないのに、絶えず誰かの悪意の眼差しを受けているような、追い立てられるような、そんな日々。
そんな中で唯一癒しとなったのが、久世光彦氏のエッセイ集です。氏にとっての昭和について語る、懐かしくて蟲惑的な随筆でございます。
わたしがずっと胸に抱き続けていたもの、感じたいと望み続けていた幻が、言葉として生まれ変わり、目の前に現われたかのような想いがいたしました。わたしの他にも確かに、同じ想いを大切に仕舞っている人がいるんだという安堵感に、胸が締め付けられました。
夢でしか逢ったことのない、永遠の恋人と街ですれ違ったら、こんな思いになるのかもしれないわ。

そんなセンチメンタルを囁くこと、もう赦されないだろうけど。
今はまだ、魂が老いることなどないと云う幻想を信じていたい。

そうそう、テンプレートを季節に合わせて変えてみました。
夜桜お七風(爆) でもちょっと、見にくいのが難点ですね。


本屋行ったら丸尾末広氏の新作『パノラマ島奇譚』が平積みしてあった……。
すげぇ、読みてぇ!!わたしが取ってる講義の某講師のお墨付きだもんなぁ。来年の授業で紹介するって云っちゃったくらいだもんなぁ。これを買わずにいられようか!!

最近ぜぇんぜんネットに繋がない環境にいたので、軽くウラシマ気分です。なんか見覚えのない情報が掲載されてる……。
ネット繋がないで何してたのかってゆーと、ひたすら本読み耽っていました。でも遅読だから、大した量はこなせない。
3月の読み本は尾崎翠に始まり、久世光彦の『黄昏かげろう座』、飛浩隆の『グランヴァカンス』。
尾崎翠は学校で借りてきた短編集を拾い読みしています。氏の代表作である『第七官界彷徨』をはじめ、『アップルパイの午後』や『こおろぎ嬢』などの諸短編をかいつまむように読んでました。
『アップルパイの午後』は戯曲なんですけど、落ちがちゃんとしてるから読みやすかったです。『第七官界彷徨』は、女の人が描く新感覚派の世界、もっと云ってしまえば初期の川端康成とかを少女の感性で描いたような印象を受けました。
そんなんだから、ストーリィよりも文章から滲み出す世界を楽しむ感じ。『蘚の恋愛』を始めとする独特の世界は、何故か不思議な優しさに満ちていて、今で云う和み系・癒し系みたいな雰囲気でありました。あと登場人物の恋が一方通行なのが、ちょっとはちくろっぽい。
『黄昏かげろう座』は、云わばブックレヴューのようなもの。久世作品は読んだことないのですが、文章の端々から滲み出る妖しげで耽美な雰囲気にしっかり酔わせていただきました。次読むものの指針になった。
『グランヴァカンス』は再読。続編の『ラギットガール』を読む前に、どんな話だったかを思い出すために読み返しているんですが、いやはや。すごい筆力だ。わたしはSF初心者で、SFのいろはなんてまったくもって知らないのですが、これは屹度傑作って云われてもおかしくないんだろうな、って思います。
物語に使われているコードはSF要素満載なのに、キャラクターが、文体から紡ぎだされる世界が、本作をSFというカテゴリから突き放している。むろん、いい意味で。
AIと『蜘蛛』とのバトルは壮絶で、残虐ですらあるのに、その残虐さを清冽な哀しみが覆い隠している。だから読んでいる方は不快にならないあたりが、すげぇなと。痛そうでグロテスクなシーンなのに、夏の終わりに吹く潮風のような哀しみが胸に迫る。そんな感じ。
嗚呼、でも高一で初めて読んだ時、章を追うごとに一人ずつ登場人物が消えてって、最後に皆殺し状態で次巻へ続くってなったときにかなり凹んだんだよな。登場人物皆殺し。どこぞのバトロワですか?!

なんかあまり参考にならない感想を残して、今日は落ちます。さよいなら。


世間様はバレンタインだチョコレートだと騒いでおりますが、如何せん今年も色恋と感謝のプレゼントに無縁な黒船屋です。
ヴァレンタイン?何それ美味しい?←

ヴァレンタインって云うと、柴田よしき氏の『聖なる黒夜』を思い起こします。だからと云うわけではないけれど、現在『聖黒』再読中。
あ~~~、もう駄目だ。練の小悪魔ぶりにきゅんきゅんさせられっぱなしですどうしようこれはもしや病気か恋の病と云う名の病気か?!(痛) 恋の病と云うよりお脳の病かもしれない。
男娼あがりの美貌のやくざ、頭は切れるが口は悪い、辛辣家。けどもふとした拍子に見せる脆弱さと儚げな雰囲気が男心とオトメのハートを擽る罪な方……。主人公の麻生さんと再会した時の堕天使じみた練も無論素敵だけれど、10年前の泣き虫だった頃の練もいい。可愛すぎる。更に云うなら韮崎さんに拾われた前後の絶望に満ちた彼はもっといい。どこが、とは云わないけれど。
前回読んだ時は大学受験の真っ最中で、空き時間にこっそり読み耽っていました。だから急いで読んだ記憶しかなくて、改めてじっくりねっちょり読み直せる今の時間はすごく贅沢だなぁと。堕ちてゆく練の姿に胸が締め付けられたりする瞬間が快感だ(笑) 悪徳ヒロイズム。
韮崎さんの通夜の日に線路沿いで練が号泣するシーンは名場面中の名場面です。わたしも何度、涙したことか。 嗚呼、今夜あたり小●急か京●線の何処かの線路に、始発を待ってる美青年が転がってないかしら。そしたらわたし、問答無用で彼を拾うのに(末期妄想)

ヴァレンタインの時期になると、そんなくっだらない妄想を繰り広げては一人で悦に浸っています。現実を見ろよ!!なんて、無粋なことは云わぬが花ですぜ、旦那(誰)

チョココロネはヤマ●キのものに限る、と云う信条があるのは私だけでせうか?
『らき☆すた』のMADを見ていると、なんだかチョココロネが食べたくなって買いに行ったはいいけれど、何処にもヤ●ザキのやつが売ってなかったんですよ。
おかしーなぁと思ってたら、パッケージが変ってて気づかないだけだった。何時も探していて、ないない騒いでいたのだけれど(心の中で)、お姿が変ってしまった所為で見つけられなかっただけなのですね。
幼稚園のころから馴染みがあったあのパッケージの後釜は、どことなくハイカラになった紅い文字のデザイン。けれどやはりわたしのなかでは、あのチョコレート色で描かれた『チョココロネ』があるべき姿なのですよ。


最近の読み物は『塗仏の宴』
京極堂シリーズは、一度読み始めると先が気になって仕方なくなる数少ないシリーズの一つ。面白いのはいいけれど、一気読みが出来ない長さなのが難点だ。
とりあえず分冊を一日一冊と定めて読破しようとしていますがねぇ。何だかわたしの方が憑き物に憑かれたように貪り読んでます。
これまでの作品に登場したキャラクターのオールスター大感謝祭。生き残ったキャラを懐かしく思うそばから、殺されたり、変な宗教に巻き込まれたり、(唆されて?)殺人鬼にされたりする懐かしのキャラクターたち……むごすぎる……orz
ってか、良く憶えてない奴とかもちらほらいた。あんた誰よ?死んだんぢゃなかったっけ?みたいな(酷)
とりあえず藍童子こと彩賀笙くんが好きだ。霊感美少年万歳。円らな瞳とか清らかなものとか、聡明そうな口ぶりとかいいです。ショタ心を擽ります。今までの本シリーズにはない感じの少年キャラですね。


ムスカ(注:非常勤講師)に滅茶苦茶駄目出しされたから、映画とかも色々観たい今日この頃です。
とりあえず『バッドエデュケーション』と『愛の嵐』くらいは。あとヴィスコンティ作品(ルートヴィッヒ……は長すぎるから、地獄に落ちた勇者どもが先かな)とか、戦場のメリークリスマスとか気になる。あれ、ホモねたばっかり……あれ??
年ごろの夢である『上海異人娼館』もなぁ……見たいけど置いてあるところがなぁ。あんまり面白くないって評が多いけど、とりあえず上海だから。何よりサド専門の聾唖美少女娼婦が山口小夜子だから。それだけでも見る価値はある、かと。
邦画も結構気になってるやつがあって。(北野監督の)『座頭市』(二代目!!)でしょー、『薔薇の葬列』でしょー、『1999年の夏休み』でしょー、ダメだしされた奴だと『新宿泥棒日記』とか。昭和中期の風俗を描いた奴が見たい。三丁目の夕日でなくて、もっとその時代に近いやつ。
Σあっ、けどわたしグロいのダメだから見れるの限られちゃうなぁ。その前に試験とレポートが……うう、全力で何処かへ逃避したい!!
そんな夢見るお年頃……。

※ 此の記事は一部差別用語を含みますが、表記以外の意図は無いことを此処に主張いたします。

Copyright ©  -- 屋外遊技場 --  All Rights Reserved
Designed by CriCri / Material by 妙の宴
忍者ブログ  /  [PR]